「うちは受験生がいるから今年の夏は、旅行に行けないのよ。」
「○○ちゃんち、妹が受験だから今年はどこにも行かないんだって。」
なんて話をよく聞きますが、中学受験をする6年生は、夏休みに旅行に連れていってはいけないのでしょうか?
・塾によってはまとまったお休みがなくて物理的に無理。
・夏期講習にお金がかかるので、旅行に行くことは経済的に厳しい。
・山のような課題をこなすだけでも時間が足りない、そんな暇はない。
・何日も遊んでしまうと、学習ペースを取り戻すのが大変。
などなど、ネガティブなご意見も多いと思いますが、私は2人の子ども達の経験から、6年生の夏休み旅行には、行って良かったと思っていますし、おすすめします。
今日は、中学受験生に夏の旅行をおすすめする理由を書いていきますね♪
受験生に夏休みの旅行をおすすめする理由
1、楽しみができて、旅行前後のやる気につながる
我が家では、旅行に行く前は、「楽しみだね。前日までに頑張って、ここまでは終わらせようね!」と、少し多めに学習時間を取り、本人も集中して塾の課題を進めていました。
そして、旅行後は、「さあ、遊んできた分、この後は他のみんなより少し頑張らないとね!」と、激励して自らやる気になるように促しました。
うちの2人を見ていて実感していることは、飽きっぽい子どもの受験勉強は、必ずしも長い時間を机に向かっていれば良いというものではなく、適度に休憩やリフレッシュする時間があった方が学習効率が上がるということです。
本人が乗り気でない時に、親がいくら勉強しろと言って無理にやらせても、あまり頭には入っていないことは明白でした。
逆に本人がやる気をもって、自らの意思で勉強を始めた時には、短時間でも多くの知識やスキルを吸収していきます。
SAPIXなどの大手塾に通う6年生の夏休みは、夏期講習などでほぼ毎日、半日は塾に缶詰め、残りの半日は家庭学習で翌日までの課題をやる、という生活です。
そんな中での貴重なオフ日をうまく使い、子どもに旅行に行くという楽しみを与えることで、勉強漬けの生活にメリハリをつけて、本人のやる気を持ち上げてやったことは、少なくとも我が家の2人には効果的だったと感じています。
2、旅行先で学べる知識がある
行程は、我が家の場合はただのんびりするだけではなく、せっかく行くのであれば少しでも受験勉強に役立ちそうなテーマを持たせることを考えて計画しました。
たとえば、歴史が超苦手な娘は、少しでも興味を持つように、日本史のテキストに出てくる建造物や遺跡、古戦場跡などを、理科が好きな息子のためには、科学博物館や水族館のような施設を組み込んだりしました。
特に娘の場合は、歴史が入ってくる5年生の9月から社会の成績がガタ落ちでしたので、6年生の夏の旅行は歴史の勉強をテーマに出かけました。
5年生の夏休みだとまだ塾でも歴史を習っていないので、何を見てもきっとチンプンカンプンだったと思います。
でも、6年生の夏休みには、歴史を勉強して既に知っていることがたくさんありますから「ああ、これがそうか!」と印象に残り、記憶が定着したようです。
ということで、歴史の勉強のために旅行に連れて行くなら、その時期も大切!
早過ぎると効果は薄いので、SAPIXのカリキュラムであれば、5年生の秋以降が効果的だと思います。
そして、もちろんアトラス(地図帳)を持参して、自分達の居場所を確認しながら移動します。飛行機の場合は座席に置いてある機内誌の地図でも良いですが、アトラスの方がより細かい場所の名称が確認できて楽しいと思います。
実際にうちの娘は、旅行中に見て覚えていたことが即、休み明けのテストに出ていました。
3、自由研究のネタができる
多くの小学校が夏休みの宿題として子ども達に課している自由研究。
一番時間がかかる宿題なので、受験勉強の時間を確保したい受験生の親にとっては、悩みの種のひとつですね。
我が家の場合、旅行で訪れた水族館や博物館で見たことや、または単純に旅行記として、テーマを絞ってまとめたものを自由研究にして提出しました。
文章や構成を考える作業は帰りの新幹線や宿泊先など旅行中にすませてしまい、帰宅したら清書して表紙をつけ、チャチャっと終わらせていました。
2人ともWordをある程度使えたので、手書きではなく、PCで打ち込んで印刷しました。
キーボードで文字を打つことができると、自由研究などの学校の課題も効率良く体裁の良いものができるので、時間のある低学年のうちに教えておくのも良いと思います。
現地でしか手に入らないパンフレットや、撮影した写真も良い材料になりますね。
4、楽しい家族全員の旅行、最後のチャンスかも…
中学に入学後は、部活や夏期講習などで子ども達も多忙になるので、家族全員のスケジュールを調整して旅行に行くことが少し難しくなります。
運動部に入った娘は、普段の練習の他に合宿や遠征試合、泊まりの学校行事や夏期講習など予定がてんこ盛りで、3日以上の連続したOFFは1回もありません。
今年は何とか部活を何日か休ませて家族旅行を強行しましたが(笑)、今後は恐らくチャンスはないでしょう。
また、運動部に入っていなかった息子が中学生の頃は、反抗期の真っただ中。
旅行には行ったものの、仲良く家族で笑顔の記念写真…なんて1枚も撮らせてもらえませんでした(涙)
…ということで、家族一緒に仲良く旅行ができるのは、小学生のうちだけかもしれないですよ…ということを、最後の理由として付け加えさせてください。
主な理由は以上です。
旅行日数は、帰ってきて元の生活が始まった時に、比較的すぐに勉強モードに切り替えができる1~2泊程度かな、と思っています。(海外はちょっと厳しいですね。)
SAPIXの場合、前年度のうちに夏も含めた前期の授業の日程表が配られるので、予定は立てやすいと思いますが、夏休み中に塾が3連休以上になるチャンスはあまり多くありません。
うちの子の小学校は、なぜか6年生の夏休み中に修学旅行があって、夏期講習を何日か休まなければいけないので、それ以外は休まなくてすむように、塾が連休になるところに合わせて夫に休みを取ってもらいました。
もちろん、サピの先生は「まさか旅行なんていく人はいないと思いますが…」という口調で「塾がない日は当然、自宅で学習!」と仰っていましたよ(笑)
旅行中も、生活のリズムが大きく変わらないように、旅行先でも早寝早起きを。
我が家の場合は「基礎力トレーニング」は持参して、それだけは現地でも毎朝、朝食前にやらせました。
(基礎力トレーニングは通称「基礎トレ」と言って、SAPIXでは必ず毎朝、短時間ですが時間を計ってやるように指導されている教材です。)
お子さんの性格によっては、数日間休んでしまうと元の学習ペースを取り戻すのに苦労する、ということはあるかもしれませんね。
そのあたりは、我が子の性格をよく知っている親御さんが判断してくださいませ。
実際に出かけた旅行の内容や、考慮した点などは、また別の日に。