つよく やさしく かしこい子に育て!

SAPIXから難関中高一貫校に進学した1男1女の子育て回想録

公立校だと個性は潰される? 中学受験を決めるまで③

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前回、息子が小学校でイジメにあっていたことを書きました。

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その当時、こんなことがありました。

学期末に息子が持ち帰った通知表。

担任の所見の欄に手書きで「いつも的を射た発言で授業を盛り上げてくれています。」と書いてあったのですが、「」の字が修正テープの上に書き直されていました。

もしかして…と思い、息子に聞いてみると、案の定…

最初は「的を得た…」と書いてあったので、彼は先生の間違いを指摘したのだそうです。

的は射るもので、得るものではないでしょ。」と。

彼に悪気はないものの、8歳の子どもに、日本語の間違いを指摘されて修正するなんて、先生のプライドが多分に傷つけられたであろうことは、想像できました。

大人げなく「この生意気なガキ!憎たらしい!」と思ってしまったかもしれません。


また、ある日、こんなこともありました。

先生との電話で、学校での息子の様子をうかがった際に「今日も○○くんは、授業中に訳の分からないことを言い出して、授業を妨害しました。」と言われました。

批判的で、ちょっと敵意のある口調でした。

その時は、とりあえず皆に迷惑をかけたことを詫びて、電話を切ってから息子に詳細を聞いてみました。


小学3年生、理科の時間のことです。

先生日かげと日なた、どちらの地面の方が温かいか?分かる人!」

指された児童「日なたです。日なたは紫外線が当たっているから温かいです。」

先生「はい、そうだね。よくできました。

みたいな感じの授業だったようですが、ここで、息子の余計なひと言

息子「え!違うよ!紫外線じゃないよ!太陽光には紫外線以外にも可視光線とか波長が違う色んな光があるんだよ。地面を温かくする光は、紫外線じゃなくて、むしろ赤外線でしょ!云々…」

先生うるさい!それ授業妨害!手をあげて発言しなさいって、いつも言ってるでしょ。」

他の児童たち「そうだ、そうだ!お前、いつもうるさいんだよ!」


「ねぇ、ママ。紫外線は可視光線の紫の外側の光、ってことでしょ?

赤外線は赤の外だよね。波長が違うんだよね?

あったかくなるのは、紫外線じゃなくて赤外線だよね?

紫と赤はね、太陽の光の一番端っこと端っこだから、反対側なんだよ!

色で言えば白と黒みたいなものなんだよ!

真逆なんだよ!

それなのに先生は、それで正しいって言ってたの!

ぜんぜん違うよね?

手をあげたって、どうせ先生はボクなんて指してくれないよ!

ボクが言わなかったら、他のみんなが間違ったことを覚えちゃうんだよ!

そんなの絶対ダメでしょ!

というのが、息子の主張。

力説していました(苦笑)

それを聞いて、私は、とても彼を叱る気にはなれませんでした。

決して、授業を妨害するつもりで発言したわけではなく、純粋に違うから違うと指摘したんだという、息子の気持ちは痛いほどよく分かりました。

何より、小学生の子どもの純粋な正義を否定して、先生に忖度せよなどということは、親として言いたくはありませんでした。

こんなことが度々あり、当初、中学受験を考えていなかった私の心にも、だんだん私立受験という選択肢が浮かんでくるようになりました。

息子のように個性やこだわりが強く、公立小で浮いてしまうような子は、その個性を受け入れてくれる校風の中学でないと、難しいのかもしれない。

この子はこのまま公立中学に行ったら、きっと潰されてしまうだろう…と。

悲しいかな、空気を読む圧力の強い日本の社会では、彼のような子どもは、先生に疎まれて、周りに叩かれて、居場所がなくなってしまうことがあるのです。

当時、学校内で唯一、息子の味方になってくれていたスクールカウンセラーの先生も、「彼の長所や能力を伸ばすためには、画一的な教育になりがちな公立校よりも、個々の能力を尊重してくれる校風の、他の学校の方が良いと思う。」と背中を押してくれました。

我が家にとっては、経済的に負担の大きい中学受験ではありましたが、挑戦すると決めた一番の理由は、「あんな奴らと同じ中学には、絶対に行きたくない!」と息子が強く希望したことです。

確かに、学校が守ってくれない状況のまま、あの暴力的なイジメっ子たちが中学生になり、もっと体も大きく力も強くなったら…想像するだけで恐ろしいことでした。

当時通塾していたenaは、4年生からは都立中高一貫の入試に特化したカリキュラムで授業を行っており、私立を受けるためには塾を変わる必要がありました。

息子の成績と性格を考慮して、迷うことなくSAPIXに入ることを決め、新4年生から転塾しました。

彼の数少ない理解者のひとりであり、いつも励ましてくれていたenaの先生は、
君なら、きっと御三家に行ける!その素直さと好奇心を忘れずに、がんばれ!
と、温かく送り出してくれました。

そして、自宅は別の学校区に買い替えて転校することで、晴れて息子をイジメの苦難から救い出すことができました

やっと、落ち着いた学習環境を取り戻し、いよいよ、息子と私の中学受験への挑戦が始まりました。

今日は、この辺で。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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